ya-hdinstall について

　KNOPPIXやAIST版KNOPPIXには knx-hdinstall が付属しています。
 Knopperさん自身がインタビューで答えていたと思いますが、その
スクリプトだとハードウェアの自動認識であるautoconfigが無効に
なってしまい、結果、デスクトップのドライブ・アイコンも表示さ
れません。RedHatやSuSe等の最新版Linux ではこのハードウェアの
自動認識を採用しており、使いやすくなっています。そうでなくと
も、KNOPPIXは CD起動がゆえにハードウェアを自動で認識しないこ
とにはブートすることが出来ません。
またドライブアイコンも従来の Linuxがマニュアルでマウントポイ
ントを作成しデバイス名を探してマウントコマンドを発行するとい
う手順だったことを自動的にマウントポイントを作成してアイコン
で表示させているもので初心者の方でも迷わずにドライブへのアク
セスが可能です。(KNOPPIXではデフォルトでは安全のためにReadオ
ンリーでマウントされますが、コマンドでなくアイコン操作で書込
みマウントへ変更できます）
　これら素晴らしい機能をもつKNOPPIXですが、HDDインストールに
当たっては、そのままでは使用することができません。
　yak(yet-another knoppix jp) プロジェクトでは開発作業の一部
として、上記の KNOPPIXの特徴を生かしたままでハードディスクへ
のインストールが可能になるように改良を重ねています。
（yakの開発作業については
　//sourceforge.jp/projects/ya-knoppix-jp をごらん下さい。
　USBブート機器や新しいKernel、KDE等の日本語環境などさまざま
な実装テストに取り組んでいます。ご協力下さる方、歓迎です）

　ハードディスクにインストールした場合は、CD起動とは異なり、
ご自身が行なった設定の変更は継続しなければなりませんが、同時
に、新たなハードウェアに変更した時や、増設を行なった時はそれ
なりに自動認識してくれた方が便利です。WindowsのPlug&Playとい
う機能ばりに、最新のLinux、例えば RedHatなどもこうした機能を
備えているのが普通になっています。KNOPPIX も当然この機能を持
っていますので、ハードディスクにインストールした後も当然この
機能が有効に働きます。
　試しに（パーティションや初期化が済んだ）ハードディスクを増
設して起動してみて下さい。ユーザログインのデスクトップにはそ
のドライブのアイコンが表示されます。（rootログインではautomo
unt は有効ですがドライブアイコンは表示しません。パーティショ
ンや初期化は KNOPPIXから可能ですがその場合は再起動させればド
ライブアイコンが表示されます）
　また、グラフィックカードを取り替えてみて下さい。（最新鋭の
グラフィックカードは Linuxドライバがありませんので無理ですが
）ブート画面で Find！ と表示され、自動的に最適な画面設定で起
動されることでしょう。
　ハードウェアの変更をしなければ、CD起動と異なり、あなた自身
が行なった設定などは当然尊重され継続されます。
　しかしながら、欠点もあります。ハードウェアの自動認識を優先
させていますので、例えばマウスやサウンドカードなどを変更させ
た場合は（多分）あなたの設定に関わらず、自動的に新しいハード
ウェアで再設定されてしまいます。このような部分をどのように取
り扱うかが開発中の所以です。

　なによりも、新しく増設または変更したいハードウェアでも稼動
するかどうかをお知りになる一番の方法は、インストールに使用し
たCD-ROMから起動して見ることです。KNOPPIXは CDから起動できる
システムですから、それで試して動作するなら、インストールした
ハードディスクからでも自動認識で動作することでしょう。

　KNOPPIXは非常に優れた最新のLinux環境を提供してくれます。
そのKNOPPIX をハードディスクにインストールすると、基本的には
Debianですので、apt-get などをお使いになって数千のDebianのア
プリケーションをご利用することができます。KNOPPIXと Debianの
双方の長所を生かして、より快適なシステム環境にされることを願
っております。
　
　なお、インストールの最初のメッセージにもあるとおり KNOPPIX
とこのスクリプトも依然として開発途上のものであることを理解さ
れた上でご利用ください。（KNOPPIXは Debianの Testingがベース
です） knopper.netともども、データ破壊や損失、ハードウェア損
害などに対して、何の責任も取りません。