Make One Linuxオンラインマニュアル
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2.事前準備

重要なファイルのバックアップ&削除

重要なファイルを他のメディアへバックアップして、全て削除します。具体的には次のファイルをバックアップ&削除しておくことをお薦めします。

  • 不要なアカウント
  • バックアップファイル
  • ウェブブラウザ等のキャッシュ、履歴、クッキー

上記のファイル以外にも、個人情報の流出に繋がりかねないファイルは極力削除しておいてください。1CD/DVD Linuxは持ち運びが楽な分、盗むことも簡単にできてしまいます。どうしても削除できないファイルがある場合はexclude-file.listに該当するファイルを列挙しておいてください。(exclude-file.listについては次項をご参照ください)

設定ファイルの編集

設定ファイルの編集をします。Make One Linuxの設定ファイルは全部で5種類あります。

  • exclude-file.list
  • exclude-package.list
  • include-module.list
  • isolinux.cfg
  • molmake.conf

各設定ファイルの意味、編集方法は次の通りです。

  • exclude-file.list
  • 作成する1CD/DVD Linuxには含めたくないファイル、ディレクトリを記述します。作成するISO9660イメージファイルがCD/DVDディスクメディアの容量に収まらなくなるおそれがある場合は、このファイルに不要なファイルを指定してください。次のように各ファイルをフルパスで一行ごとに列挙してください。

    /opt、/usr/local、/usr/srcを削除する場合
    /opt
    /usr/local
    /usr/src
    
  • exclude-package.list
  • 作成する1CD/DVD Linuxには含めたくないrpmパッケージを記述します。作成するISO9660イメージファイルがCD/DVDディスクメディアの容量に収まらなくなるおそれがある場合は、このファイルに不要なrpmパッケージを指定してください。次のように各パッケージを一行ごとに列挙してください。

    foo-x.x.x.arch.rpmとbar-y.y.y.arch.rpmパッケージを削除する場合
    foo
    bar
    
  • include-module.list
  • 初期RAMディスク(initrd.img)に組み込んでおくカーネルモジュールを記述します。起動に必要なモジュールは自動的に組み込まれるのでここで指定する必要はありません。次のように各モジュールを一行ごとに列挙してください。

    foo.koとbar.koを組み込む場合
    foo
    bar
    
  • isolinux.cfg
  • Make One LinuxはISOLINUXをブートローダとして使用しています。isolinux.cfgはそのISOLINUXの設定ファイルです。このファイルの書式はISOLINUXのマニュアルが詳しいのでそちらをご覧ください。

  • molmake.conf
  • molmakeコマンドの設定ファイルです。このファイルは次のような内容になっています(この内容はMake One Linux 0.5.0のものです)。

    #==================================================#
    # Make One Linux 0.5.0 -- Setup Configuration File #
    #==================================================#
    
    
    ## === Kernel Release Version === ##
    KERNEL_RELEASE="`uname -r`"
    
    ## === Distribution === ##
    DISTRIBUTION="RHEL4"
    #DISTRIBUTION="Fedora5"
    
    ## === Build Directories === ##
    BUILD_ROOT="/tmp/molmake"
    ISODIR="/tmp/molmake"
    
    ## === System Directories === ##
    SBINDIR="/usr/sbin"
    LIBEXECDIR="/usr/libexec"
    SYSCONFDIR="/etc"
    DATADIR="/usr/share"
    
    ## === Commands === ##
    MKSQUASHFS="/usr/bin/mksquashfs"
    ISOLINUXBIN="/usr/lib/mol/isolinux/isolinux.bin"
    HWSETUP="/usr/libexec/hwsetup-mol"
    DDCXINFO="/usr/libexec/ddcxinfo-mol"
    BUSYBOX="/usr/libexec/busybox-mol"
    
    ## === List Files === ##
    EX_FILE_LIST="/etc/mol/exclude-file.list"
    EX_PKG_LIST="/etc/mol/exclude-package.list"
    IN_MOD_LIST="/etc/mol/include-module.list"
    
    ## === Initial RAMDISK === ##
    INITRD_BS="1k"
    INITRD_COUNT="16384"
    COPY_INITRD_TO_BOOTDIR="yes"
    
    ## === Main System === ##
    MAIN_FS="squashfs"
    #MAIN_FS="ext2"
    #MAIN_FS="ext3"
    #MAIN_FS="reiserfs"
    #MAIN_FS="raw"
    MAINFS_BS="1k"
    MAINFS_COUNT="696320"
    
    ## === ISO9660 Image File SUFFIX === ##
    ISO_SUFFIX="${DISTRIBUTION}"
    
    

    各設定項目の意味は次の通りです。

    KERNEL_RELEASE
    Make One Linuxで使用するLinuxカーネルバージョン名です。標準で現在起動中のバージョンが使用されます。

    DISTRIBUTION
    ベースにするディストリビューションを指定します。次のように指定してください。
    RHEL 4、及びRHEL 4ベースのディストリビューションを使用する場合 : RHEL4
    Fedora Core 5を使用する場合 : Fedora5
    BUILD_ROOT
    mkinitrd-mol、mkfs-mol、mkisofs-molコマンド実行時に使用される作業ディレクトリを指定します。標準で/tmp/molmakeディレクトリを使用します。後述するMAIN_FS変数にraw以外のファイルシステムを指定した場合、このディレクトリに巨大なイメージファイルが作成されるため、BUILD_ROOTにはなるべく空き容量に余裕のある場所を指定してください。

    ISODIR
    mkisofs-molコマンドによって作成されるISO9660イメージファイルの保存場所を指定します。ISO9660イメージファイルはかなり大きなサイズになるので、ハードディスクの空き容量に余裕のある場所を指定してください。

    SBINDIR
    molmakeコマンドやmkinitrd-molコマンド等をインストールしたディレクトリを指定します。rpmパッケージで標準的にインストールした場合、/usr/sbinが指定されます。

    LIBEXECDIR
    linuxrcスクリプトやautosetup-molスクリプト等をインストールしたディレクトリを指定します。rpmパッケージで標準的にインストールした場合、/usr/libexecが指定されます。

    SYSCONFDIR
    molmake.confやexclude-file.list等をインストールしたディレクトリを指定します。rpmパッケージで標準的にインストールした場合、/etcが指定されます。

    DATADIR
    画像ファイルやパッチファイル等をインストールしたディレクトリを指定します。rpmパッケージで標準的にインストールした場合、/usr/shareが指定されます。

    MKSQUASHFS
    mksquashfsコマンドを指定します。デフォルトでmksquashfsが指定されます。

    ISOLINUXBIN
    isolinux.binファイルをフルパスで指定します。インストール時に自動的に発見できなかったばあいは/usr/lib/syslinux/isolinux.binが指定されます。

    HWSETUP
    hwsetup-molコマンドをフルパスで指定します。インストール時に自動的に発見できなかった場合は/usr/libexec/hwsetup-molが指定されます。

    DDCXINFO
    ddcxinfo-molコマンドをフルパスで指定します。インストール時に自動的に発見できなかった場合は/usr/libexec/ddcxinfo-molが指定されます。

    BUSYBOX
    busybox-molコマンドをフルパスで指定します。インストール時に自動的に発見できなかった場合は/usr/libexec/busybox-molが指定されます。

    EX_FILE_LIST
    exclude-file.listをフルパスで指定します。rpmパッケージで標準的にインストールした場合、/etc/mol/exclude-file.listが指定されます。

    EX_PKG_LIST
    exclude-package.listをフルパスで指定します。rpmパッケージで標準的にインストールした場合、/etc/mol/exclude-package.listが指定されます。

    IN_MOD_LIST
    include-module.listをフルパスで指定します。rpmパッケージで標準的にインストールした場合、/etc/mol/include-module.listが指定されます。

    INITRD_BS
    初期RAMディスク(initrd.img)を作成する際に一度に読み書きするブロックサイズを指定します。初期値は1kです。よく解らない場合は初期値のままにしておいてください。

    INITRD_COUNT
    初期RAMディスク(initrd.img)を作成する際に読み込むブロックの個数を指定します。初期値は16384です。よく解らない場合は初期値のままにしておいてください。

    COPY_INITRD_TO_BOOTDIR
    Make One Linuxで使用する初期RAMディスクをベースディストリビューションの/bootディレクトリにもコピーするかどうかを指定します。コピーする場合はyesを指定してください。コピーしない場合は何も指定しないでください。
    コピーした場合は/bootディレクトリにinitrd-mol-x.y.z.imgという名前で保存されます(x.y.zはMake One Linuxのバージョン名)。このファイルをベースディストリビューションのブートローダで指定して、そのブートオプションにboot=romodeを追加すると、現在起動中のシステムをCD/DVDメディアに見立てて起動することができます。

    MAIN_FS
    Make One Linuxで使用するイメージファイルのファイルシステムを指定します。squashfs、ext2、ext3、reiserfs、rawの中から一つ選択できます。デフォルトでsquashfsが指定されています。
    通常はsquashfsを指定することをお薦めします。このファイルシステムは圧縮処理がなされるため、大容量のシステムをCD/DVDに納めることができます。
    尚、rawを指定するとイメージファイルを使用しないLiveCD/DVDを作成することができます。但し、この場合LiveCD/DVDの起動時間が異常に長くなってしまうのでご注意ください。

    MAINFS_BS
    MAIN_FSで指定したファイルシステムのブロックサイズを指定します。squashfs、rawを指定した場合、MAINFS_BSの値は無視されます。初期値は1kです。特に問題がなければ初期値のままにしておいてください。

    MAINFS_COUNT
    MAIN_FSで指定したファイルシステムのブロック数を指定します。squashfs、rawを指定した場合、MAINFS_BSの値は無視されます。初期値は696320です。特に問題がなければ初期値のままにしておいてください。

    ISO_SUFFIX
    ISO9660イメージのファイル名やボリュームIDに使用する接尾文字を指定します。デフォルトでDISTRIBUTION変数で指定された値を使用します。


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